2025/12/15

ページスピードインサイト(PageSpeed Insights)とは?ページの表示速度を確認して、Webサイトの健全性を高めよう

アクセス分析
ページスピードインサイト(PageSpeed Insights)とは?ページの表示速度を確認して、Webサイトの健全性を高めよう

アクセス分析を行う際、まずはPV数やコンバージョン数、コンバージョン率を確認する方がほとんどかと思います。他にも多くの指標を確認する必要がありますが、「Webサイトの表示速度」についてはいかがでしょうか?
どれほど素晴らしいコンテンツを作っても、ページの表示速度が遅ければユーザーは見てくれません。今回は、Googleが提供する表示速度チェックツール「ページスピードインサイト(PageSpeed Insights)」の使い方を解説し、サイトの表示速度をチェックする方法をご紹介します。

目次

サイトの表示速度がアクセス分析で重要な理由

「たかが数秒」と思うかもしれませんが、Webの世界において表示速度は重要です。表示速度がアクセス分析やマーケティングにおいて極めて重要である理由は、主に以下の3点に集約されます。

  1. ユーザーの離脱(直帰率)に直結する
    2017年に行われた Googleの調査では、モバイルサイトの読み込みに3秒以上かかると、53%のユーザーが閲覧を諦めて離脱するという結果が出ました。せっかく広告費をかけて集客しても、ページが表示される前に半数が帰ってしまうのです。これは「穴の空いたバケツ」に水を注ぐようなもので、マーケティング施策として非常に非効率です。
  2. 検索順位(SEO)への影響
    Googleは「ユーザー体験(UX)」を非常に重視しています。表示速度が遅いサイトは「ユーザーにとって不便なサイト」と判断され、検索エンジンの評価(検索順位)が下がる傾向にあります。つまり、スピード改善は立派なSEO対策といえます。
  3. コンバージョン率(CVR)の低下
    ECサイトや申し込みページにおいて、画面遷移の遅さはユーザーの購買意欲を削ぎます。表示速度が0.1秒遅れるだけで、売上が1%下がると言われるほど、スピードと収益は密接に関係しています。

ページスピードインサイトとは?

では、自分のサイトの速度はどうやって測ればよいのでしょうか。そこで登場するのが「ページスピードインサイト(PageSpeed Insights)」です。
これはGoogleが無料で提供している公式ツールで、WebページのURLを入力するだけで、そのページの表示速度やパフォーマンスを分析し、0点から100点のスコアで評価してくれます。

ページスピードインサイトの最大の特徴は、単に「速いか遅いか」を判定するだけでなく、Googleが実際に収集したユーザーのアクセスデータ(Chromeユーザー体験レポート)に基づいたリアルな評価が見られる点です。
また、分析結果は「モバイル(スマホ)」と「デスクトップ(PC)」の2種類で表示されるため、スマホユーザー向けの対策が急務となっている現代において非常に有用な指標となります。

ページスピードインサイトで確認できる項目

ページスピードインサイトで診断を行うと多くのデータが表示されますが、初心者がまず押さえておくべきなのは「コアウェブバイタル(Core Web Vitals)」と呼ばれる3つの重要指標です。これらはGoogleが「Webサイトの健全性を示す重要指標」として定めているものです。

  • LCP(Largest Contentful Paint):読み込み時間
  • ページのメインコンテンツ(一番大きな画像やテキストブロックなど)が表示されるまでの時間を指します。「いつになったら中身が見えるの?」というユーザーのストレスを測る指標です。2.5秒以内であれば「良好」とされます。
  • INP(Interaction to Next Paint):応答性
  • ユーザーがボタンをクリックしたりタップしたりした際に、ブラウザが反応するまでの時間です。「ボタンを押したのに画面が固まって動かない」といったイライラを測ります。以前はFIDという指標でしたが、より包括的なINPに変更されました。
  • CLS(Cumulative Layout Shift):視覚的な安定性
  • ページの読み込み中にレイアウトがガタッとずれる現象を指します。「記事を読もうとしたら広告が遅れて表示され、本文が下にずれて誤タップしてしまった」という経験はありませんか?CLSは、これらのズレを数値化したものです。

ページスピードインサイトでは、これらの指標が「良好(緑)」「改善が必要(オレンジ)」「不良(赤)」の3段階で色分けされるため、どこに問題があるか一目で分かります。

ページスピードインサイトを利用するメリット

ページスピードインサイトを定期的に利用することには、単なるスコア確認以上の大きなメリットがあります。

  • 具体的な「改善策」を教えてくれる
  • ページスピードインサイトの優れた点は、スコアを出すだけでなく「何をすれば速くなるか」を具体的に提案してくれることです。「画像を次世代フォーマット(WebPなど)にする」「使用していないJavaScriptを削除する」といった技術的な提案を確認できます。これにより、制作会社や更新担当への修正依頼が具体的かつスムーズになります。
  • 客観的なKPIとして設定しやすい
  • 「サイトが重い気がする」という感覚的な話ではなく、「スマホでのスコアが45点なので、来月までに60点を目指しましょう」といった、数値に基づいた目標設定が可能になります。これにより、チーム全体でパフォーマンス改善に取り組みやすくなります。
  • 競合サイトの分析が可能
  • 自分のサイトだけでなく、競合他社のURLも分析できます。他社のサイトがどの程度のパフォーマンスを出しているかを知ることで、自社の立ち位置や目指すべき基準が明確になります。

まとめ

アクセス分析において、ページスピードインサイトは「サイトの健康診断」のようなものです。 どんなに魅力的なコンテンツも、表示されなければ存在しないのと同じです。まずは自社サイトの主要ページ(トップページやLPなど)をページスピードインサイトに入力し、現状のスコアを確認することから始めてみてください。

また、ページの表示速度以外にもユーザーの離脱の原因となる事柄があります。ぜひ、他の観点からも自社サイトを分析してみてください。
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