2024年4月1日の改正障害者差別解消法の施行により、合理的配慮が義務化されたことで、環境整備の一環である「ウェブアクセシビリティ」への関心が高まっています。
アクセシビリティ分析を行うことで、ウェブサイトの現状を把握し、具体的な改善点を洗い出すことができます。
リファレンスガイドでは、各検査結果を世界標準のガイドラインであるWCAG 2.0、2.1、2.2※に準準拠した形式で報告しています。
※WCAGは、W3C(World Wide Web Consortium)という団体が作成しているガイドラインであり、この内容と一致する規格として国際規格(ISO/IEC 40500:2012)や日本産業規格(JIS X 8341-3:2016)が出されています。WCAGは現在2.2までバージョンが出ていますが(2023年11月策定)、JIS規格(JIS X 8341-3:2016)は現状、WCAG 2.0の内容と一致する規格となっています。
ウェブアクセシビリティについて
ウェブアクセシビリティとは、すべての人々が心身の条件や利用する環境(デバイス、ネットワーク速度など)に関わらず、ウェブの情報やサービスを公平に利用できるように、情報へのアクセス性を高めることです。身体や年齢などの制約から情報へのアクセスが難しい場合、ウェブアクセシビリティの確保が求められます。
例えば、視覚障害者のために、ウェブサイトのテキスト情報を音声で読み上げる「スクリーンリーダー」と呼ばれるツールが正しく機能するようにコードを整備することなどが挙げられます。
また、ウェブアクセシビリティは、高齢者や障害者だけでなく、一時的な制約を負う人(例:屋外で光が反射して画面が見えづらい人)を含む誰もがウェブサイトを利用できるようにするための重要な要素でもあります。ウェブの情報を公正に取得できるよう、多くのウェブサイト運営者がその推進に取り組んでいます。
具体的には、ウェブサイトが使用する色のコントラストや、テキストの大きさ、ボタンの操作性、動画や音声の字幕提供等、ユーザビリティ(使いやすさ)とアクセシビリティを両立させる様々な手法が取られています。
ウェブアクセシビリティは、インターネットを使う全ての人々にとって重要な要素であり、さまざまな困難を抱えるユーザーがウェブの情報に平等にアクセスできる社会を実現するために、今後もその普及と向上が求められています。
WCAG2.0
Web Content Accessibility Guidelines(ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン、略称:WCAG)は、ウェブのコンテンツを障害のある人を含め、誰もが利用しやすいようにするためのウェブアクセシビリティに関するガイドラインです。
このガイドラインは、利用者の視点からまとめられた「知覚可能」「操作可能」「理解可能」「堅牢」の4つの原則から構成されています。
WCAG 2.0は、日本のウェブアクセシビリティ規格である**日本産業規格(JIS X 8341-3:2016)**と一致する規格として採用されています。
達成基準
以下の達成基準はウェブアクセシビリティ基盤委員会 (WAIC) が翻訳しているW3C ワーキンググループノートを参照しています。
各達成項目の解説ページへリンクを設けておりますので、検査結果の内容と照らし合わせてご参照ください。
※参照先は、JIS X 8341-3:2016と一致規格であるWCAG 2.0の解説ページにリンクしています。
1.知覚可能
情報及びユーザインタフェース コンポーネントは、利用者が知覚できる方法で利用者に提示可能でなければならない。