近年、Googleなどの検索エンジンでは、AIによるコンテンツ理解が進み、検索結果に表示される情報もブルーリンクだけではなくなってきています。ユーザーの検索意図に応じて、関連する質問(FAQリッチリザルト)や商品情報、レシピ、求人など、さまざまな形でページ情報が検索結果上に目立つ形で表示されるようになっています。
このような変化の中では、自社サイトの情報を正確に、そして検索エンジンが理解しやすい形で伝えることが今まで以上に重要です。その鍵となるのが「構造化データ」です。
本記事では、構造化データの基本から具体的な種類、導入する際に気をつけたいポイントまで、Web担当者が押さえておくべき内容をわかりやすく解説します。
目次
構造化データとは?
構造化データとは、Webページの内容を検索エンジンにわかりやすく伝えるためのルールに沿ったデータの書き方です。普段私たちが見るWebページは、人が見れば「これは商品説明だな」「これはイベント情報だな」と理解できますが、検索エンジンはページの文字だけを読んで内容を理解しているため、正確に意図が伝わらないこともあります。
そこで使うのが構造化データです。例えば「この文章はよくある質問(FAQ)ですよ」や「この部分は商品の価格ですよ」といった情報を、検索エンジンが理解できる特別な記述で伝えることで、検索結果にもその情報がわかりやすく反映されるようになります。これによって、検索結果に質問と回答が直接表示されたり、レシピの写真やイベント日程が目立つ形で表示されたりしてユーザーの目に止まりやすくなるのです。
実際には以下のようなシンプルなコードをページに入れる形です。
※FAQコードの例
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [{
"@type": "Question",
"name": "How do I find an apprenticeship?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "Search available apprenticeships on our official website."
}
}]
}
</script>
構造化データは「ページの中身を正しく検索エンジンに伝えるための名札やラベル」のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。
どんな種類がある?
構造化データには、さまざまな種類があります。代表的なものは以下の通りです。
よくある質問(FAQ) |
質問と回答 |
レシピ |
料理名、調理時間、材料、レビュー、レビュー件数 |
イベント |
開催日時、場所、チケット情報 |
商品情報 |
価格、在庫状況、評価 |
レビュー |
星の評価やコメント数 |
動画 |
動画のサムネイルや再生時間 |
記事 |
見出しや画像、公開日時 |
求人情報 |
職種、勤務地、給与など |
企業情報 |
会社名、ロゴ、連絡先など |
これらの構造化データを適切に設定すると、検索結果でリッチリザルトとして目立つ表示となり、ユーザーの注目を集めやすくなります。
日本の検索結果では未対応のカテゴリがある?
キーワードや国によって、上記の構造化データが検索結果に特殊表示されるかはまちまちです。特に日本では、イベント情報やレビューなどは表示される範囲が限定的で、アメリカなど海外の検索結果に比べるとリッチリザルトとして表示される頻度や内容に違いがあります。
Googleは対応範囲を徐々に拡大していますが、まだ未対応のカテゴリもあるため、将来に備えてあらかじめ構造化データを設定しておくことが重要です。対応が始まればすぐに検索結果に反映されやすくなるため、長期的なSEO対策として有効です。
どう対応すればいい?企業サイトならプロに依頼するのがおすすめ
構造化データは細かな記述ルールがあり、カンマの有無ひとつでエラーになることも珍しくありません。そのため、専門知識がないまま自力で対応すると、正しく検索エンジンに認識されないリスクがあります。
特に企業サイトでは、誤った設定がユーザーに誤解を与えたり、逆に検索結果に反映されなくなってしまったりするリスクもあるため、専門の制作会社に依頼するのがおすすめです。普段依頼しているサイト制作会社や、構造化データ対応の実績がある会社に相談することで、ミスを防ぎながら効果的に導入を進めることができます。
まとめ:構造化データで検索結果を先取りするために
構造化データを設定することで、検索結果にリッチリザルトとして表示されやすくなり、ユーザーの目を引きクリック率の向上が期待できます。種類や国内での対応状況を把握し、サイトに必要な構造化データを活用しましょう!
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